中国新聞


子どもと携帯


 家にいる子どもが恐ろしい犯罪の真っただ中にいるかもしれない。そんな目で携帯電話のことを考える親はどれくらいいるだろう。学校裏サイトでのいじめや、出会い系、ワンクリック詐欺など有害サイトにまつわる事件のことだ。確かにニュースではよく見る。ただ自分の問題としては考えにくかった。

 子どもの悩みを受け付ける「ひろしまチャイルドライン」によると、携帯をめぐる子どものトラブル相談は確実に増えている。同級生からわいせつな画像を送られる、変なサイトにつながって料金を請求された、中傷のチェーンメールがきた―。身近なところで起きている実例をいろいろ聞いて、わが子もそうかも、と心配になった。

 親はどうすればいいのだろう。学校で子や教師、親を対象に安全のための出前教室を行っているNTTドコモ中国に聞くと、怪しいサイトへの接続を規制するフィルタリングが有効という。各社とも店頭やネットで申し込める。必要なメールしか受け取らない受信拒否を設定する方法もある。

 メールには、同年代の友達を装いながら、出会い系サイトに誘うものもあるそうだ。携帯をめぐる犯罪の手口を知れば知るほど、巧妙さに驚かされる。

 問題は、チェーンメールや裏サイトなどに匿名で書き込む中傷だ。わが子が加害者になる可能性もある。防ぐには本人の自覚を促すしかない。こうした行為が犯罪になることを含め親子で話し合い、ルールを決めるしかなさそうだ。

 わが家でもあらためて危なさを教え、居間でしか使わないことなど、子どもにも納得してもらって約束した。もともと安全確保のために持たせた携帯だ。子どもを加害者や被害者にしないために、親も勉強をしたい。(吉村知子)

(2007.12.2)


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