中国新聞


視写で児童に学習意欲
東広島の西志和小 姿勢や集中力向上


 東広島市志和町の西志和小(生田一人校長、百九十八人)が、手本の文章を制限時間内で丁寧に速く書き写す「視写」に全学年で取り組んでいる。きちんとした姿勢や鉛筆の持ち方を体得し、書く能力を高めようと二年半前に導入。児童の学習意欲の向上につながり、保護者からも好評だ。

 「もっと背筋を伸ばして」。時間内に書き写そうとして前かがみになっている児童を、教諭が注意する。高学年は三分間で丁寧に文章を書き写した後、さらに二分三十秒以内に同じ文章をできるだけ速く書く。指の間に練習具を挟むなどして、正しい鉛筆の持ち方を身に付けている。

 視写は二〇〇五年四月、目立っていた児童の悪い姿勢や鉛筆の持ち方を直すために導入した。週一回、一時間目の前に取り組み、授業に臨む集中力も高まるという。

 六年の津川基君(12)は「自分のノートの字が読みやすくなり、復習に役立つ」と話す。保護者からも「日記の宿題を嫌がらなくなった」などと好評で、市内の小学校から問い合わせも相次いでいるという。月一回、同校で視写の指導に当たる広島大教育学研究科の松本仁志准教授(43)は「語彙(ごい)の習得に加え、書きながら考える力も身に付く」と視写の効果を説いている。(小山顕)

(2007.11.23)


子育てのページTOPへ