中国新聞


助産師不足 悩み深刻
光の大和総合病院
人材難で補充できず


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大和総合病院で出産した女性に授乳指導をする助産師(左)

 山口県東部の自治体病院で唯一、産婦人科を置く光市岩田の大和総合病院が、助産師不足に悩んでいる。現在は六人で月平均十回の夜勤をこなすなどフル回転。病院側は「助産師の健康を維持するためには八回までにとどめたい」とし、人材確保へ職員にも協力を呼び掛けている。

 同病院は二〇〇四年以降、年平均百五十八件の分娩(ぶんべん)を扱い、今年は十一月十五日までに百五十三件。常勤の医師二人、非常勤医師一人とともに対応しており、伊藤節美看護部長(47)は「助産師の夜勤が月十回を超えるケースもある」と窮状を訴える。

 一方、夜勤八回体制に改善するには助産師七人が必要という。〇五年度からこの体制を維持してきたが、今年九月に一人退職。さらに一人が退職を申し出ている。病院側は県看護協会のナースバンクに登録しているが、採用には至っていない。来春採用の内定者が一人いるものの不安定な状態が続いており、二人を目標に採用したい考えだ。

 人材難の背景には、全国や県内の助産師不足がある。さらに、同病院は現在、市が市立光総合病院との再編を検討中。伊藤看護部長は「病院の将来への不安感も影響しているようだ」と話す。

 ただ、合併症を伴うような妊婦を受け入れる高度医療を維持する必要もあり、安永満院長(52)は「産婦人科を継続していく。そのために助産師の募集を常時していきたい」との意向を示している。(せい口智子)

(2007.11.23)


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