今年既に29件検挙 閲覧制限呼び掛け 携帯電話の出会い系サイトによる児童買春事件で逮捕、書類送検した件数が十月末で、統計を取り始めた二〇〇〇年以降で年間で最多となる二十九件に上ることが、山口県警少年課の調べで分かった。県警は、携帯電話の有害情報の閲覧を制限するフィルタリングの導入を呼び掛ける一方、県や県教委とも連携して対策を強化する。 同課によると、二十九件のうち、半数以上が春休みや夏休みに集中している。被害者の少女は延べ三十二人で、うち十七人は高校生、中学生が十二人、無職が三人。 宇部市内の会社員男性(40)が携帯電話の出会い系サイトを通じて知り合った十七歳の高校生二人に現金三万円を渡してみだらな行為をした疑いで宇部署に逮捕されるなど、被害者は中高生がほとんどだ。 山本逸正・少年課次長は「携帯電話を持つ中学生らが増え、被害に遭う機会が多くなっている。有害な情報から守る必要がある」と強調する。 二月に改正した県青少年健全育成条例では、携帯電話の販売者やネットカフェ事業者らに対し、青少年にはフィルタリングを勧めるよう定めている。携帯電話の販売店では無料で設定できる。 県こども未来課は、保護者にフィルタリングを知ってもらうため、四月からPTA総会などで説明を繰り返している。これまでに中学校五十三校、小学校三校で講習会を開いた。 河本英一調整監は「まず保護者がきちんと認識し、子どもに有害情報を見せないようにしてほしい」と呼び掛けている。(西山文男) (2007.11.17)
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