中国新聞


職場体験 全公立中で
来年度広島県内 5日以上にめど


 文部科学省が推進する中学生の年間五日以上の職場体験が来年度、広島県内の全公立中学(二百五十校)で計画されそうだ。本年度は約八割の学校で計画。遅れていた広島市内で各中学が準備を進めており、完全実施に見通しがついた。

 県教委と広島市教委によると本年度、五日間以上の職場体験を計画していないのは、全公立中の17・2%にあたる四十三校。広島市立(全六十三校)の四十二校のほかは開校四年目の県立広島中(東広島市)だけとなっている。

 文科省は〇五年度、職業観や技能を身に付けさせ、進路選択の力をはぐくむ「キャリア教育実践プロジェクト」をスタート。都道府県と政令市に、中学生が地域の工場や小売店などで五日間以上の職場体験をすることを奨励している。

 県内の実践校は二〇〇五年度の三十一校、〇六年度には百十一校と増加。本年度は、広島市を除く二十二市町立の百八十六校と広島市立二十一校が実施を計画する。

 広島市教委によると、職場側の受け入れ態勢などもあり、短期の体験や未実施の学校もあったが、〇八年度は全校が実施方向で準備中。一方、全県から生徒が集まる県立広島中も〇八年度から実施する計画だ。

 県教委が〇六年度に職場体験の参加者約六千八百人を対象に実施したアンケートによると、「自分の良さは周囲から認められている」が59・5%と、参加前から10・9ポイント上昇。「将来、仕事や生活の役に立つから勉強する」も79・7%と8・4ポイントアップした。

 県教委指導一課は「社会で自立する力を身に付けてもらう必要がある。生徒を受け入れる事業所の開拓などで中学校を支援し、全校が継続して取り組むよう指導したい」としている。(村田拓也)

(2007.11.7)


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