三江線ダイヤ改正 2高校明暗 島根中央高と地元の川本町が、JR三江線のダイヤ改正で同町より江津市に通いやすくなった同市桜江町からの生徒確保に頭を悩ませている。統合・新設校ながら大幅な定員割れで来年度から1学級減が決まっただけに、「交通アクセスが学校の発展の鍵を握る」と関係者の危機感は強く、29日はJRにダイヤ変更を陳情した。 上川義寛校長ら六人がJR浜田鉄道部を訪問。川本町の樋口忠三町長が大東由明部長に陳情書を手渡し、「石見川本に午前七時八分着と早く着きすぎる江津発の便を、約一時間遅くしてほしい」などと訴えた。
八年前に桜江町内の川戸駅の行き違い設備が経費節減で撤去され、柔軟なダイヤが組めない現状に、樋口町長は「可能なら行き違い設備の復活に地元が何らか支援できないか、ともに考えたい」と提案。大東部長は「米子支社に伝える」と述べた。 島根中央高は川本高と邑智高(美郷町)を統合し、今春開校した。桜江町から島根中央高と従来の川本高に通う生徒は、三学年で四十二人。全体の約六分の一を占める。 以前は桜江町から江津高に通うには午前五時台の便に乗る必要があり、同六時台で間に合う島根中央高の方が有利だった。だが六月の新ダイヤで江津高に七時台の列車で通えるようになり状況が一変。桜江中の来春の進学希望は、従来と逆で島根中央高より江津高が多いという。 樋口町長は「保護者らから三江線が不便なままならスクールバスを走らせてほしいとの声もあるが、定時性や利用促進の観点からダイヤ改善の可能性を優先的に探りたい」と話している。 この日は、部活動の生徒に配慮した浜原駅(美郷町)以東の終便繰り下げも要望した。(馬場洋太) (2007.10.30)
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