山口県教委 小中生にカード配布
学校へ訴え201件 山口県教委が本年度、県内すべての小中学生に「いじめ相談カード」を配ったのを機に、各機関への電話相談が倍増している。児童や生徒がカードに悩みを書き込んで、学校に訴えたケースは201件。県教委は「相談しやすい環境づくりにつながっている」と受け止める。20日から、カードを県教委のホームページ(HP)にも掲載して活用を呼び掛ける。 カードは、各学期の初めに一人一枚ずつを配布している。県教委が二十四時間対応する子どもいじめ一一〇番や県警のヤングテレホンなど、五カ所の相談窓口の電話番号を明記。悩みを書き込む欄も作り、校内に設けた相談箱に入れてもらうようにしている。 県教委によると、五機関への相談件数は六―八月が百八十五件。昨年同期の七十八件に比べて二・三倍だった。いじめ一一〇番は、カードを配った直後から急増した。六月は四十九件、九月は三十六件。両月とも昨年同月は七件だった。 カードに書き込まれた相談は、八月末までに二百一件で、うち小学校が百七十三件と九割近くを占めた。県内のある小学校では「げた箱の靴を隠された」「友達にバカだと言われた」などの相談が三件。担任らが学級で話し合ったり、全校児童に注意を呼び掛けたりして対応した。 生徒指導担当の教諭は「先生にも友達にも言えなかった子が、使ってくれる可能性がある」と期待を寄せる。 カードを載せるHPには、いじめ対応の家庭向けリーフレットも掲載する予定だ。(高橋清子) (2007.10.16)
|