中国新聞


島根県立高全日制200人減
08年度入学定員 私立は49人縮小


 島根県教委と島根県私立中学高校連盟は十五日、二〇〇八年度の県内公私立高校の入学定員を発表した。県立の全日制は、前年度から五学級二百人減の百四十六学級五千八百四十人。私立の県内分は同四十九人減の千二百七十四人。一部の年の増減なしも含め、いずれも一九九〇年度から減少を続けている。

 川本、邑智が統合し、〇七年四月にスタートした島根中央は、一学級分(四十人)以上の定員割れを起こしたことから開校後一年で一学級を削減。松江工は建築、土木両科を統合した建築都市工学科を新設。出雲工、浜田商はそれぞれ、環境システム、国際情報ビジネス科の募集を停止し、一部カリキュラムを他科へ移すなどする。出雲は普通科一学級を減らす。

 松江市立女子は一学級の定員を十人減の三十人とし、学校全体では四十人減の百二十人となる。

 定時制、通信制、専攻科や、特別支援学校のうちの盲、ろう学校は前年通り。養護学校の高等部は、定員の少ない重複障害の学級が減り、単一障害では増えたため、一学級減七人増の四十三学級二百四十四人とする。

 私立の県内分では、キリスト教愛真を除く九校の全日制で、十三―二人削減。益田東は普通科工学コース、自動車科自動車整備士養成コースを自動車科へ統合する。

 松江東、大田は、学校の特色を出すためとして推薦入学を導入。明誠は前期、後期に分けていた推薦を一本化する。

 県教委高校教育課によると、〇八年三月の県内中学校卒業予定者は前年から三百九十人減の七千百七十三人。二〇〇〇年から九年連続で戦後最低を更新する見通し。(和田木健史)

■邑智2校に明暗
 学級維持の矢上 島根中央は1減

 町を挙げての署名活動などで一学級減を阻止した矢上高(邑南町)と、新設校ながら一学級減が決まった島根中央高(川本町)。少子化で生徒確保に苦心する邑智郡内の二校で明暗が分かれた。

 矢上高では放課後、体育館に集まった全校生徒に横山建郎校長が「おめでとう」と、三学級維持を報告。拍手と笑顔に包まれ、佐藤勇人教頭が「郡外、県外からも来てくれる学校をつくっていこう」と呼び掛けた。

 県教委が可能性を示唆していた一学級減の阻止に向け、同高教育振興会の呼び掛けで七、八月にかけ町内外の約一万三千人が署名。本年度の志願倍率一倍超えの実績とともにアピールしてきた。石橋良治町長は「署名の思いが届いた。財政は厳しいが今後も優先的に支援したい」と歓迎する。

 一方、島根中央高の一学級減に、川本町の樋口忠三町長は「急な発表で驚いている。さあこれからという時だけに生徒や教職員の気持ちを考えると複雑。意見を集約して要望したい」。上川義寛校長も「残念な思いだ。交通アクセスの工夫や学校PRにより力を入れないといけない」と話した。(馬場洋太)

(2007.10.16)


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