中国新聞


県立ろうあ児施設廃止
山口県検討 入所者なく来春にも


 山口県は、山口市鋳銭司、県立ろうあ児施設「松光園」を来年三月末で廃止する検討を始めた。現在、入所者は高等部三年の一人。廃止の主な理由として、卒業後は入所予定者がなく、在宅福祉の定着などで今後も入所者が増える見込みがないとしている。

 県障害者支援課によると、松光園は一九五〇年にろうあ児を保護し、自立した生活に向けて必要な指導や援助をする施設として開所した。八〇年代まで定員の四十人に近い児童を受け入れていたが、九〇年代から減少。二〇〇五年度は十一人、〇六年度は四人だった。

 隣接の県立ろう学校が来年度から、「山口南総合支援学校」になるのに合わせ、施設は学校の寄宿舎として活用する方針だ。

 来年度以降、入所希望者が出た場合について、県障害者支援課の鶴田宗之課長は「PTAとも相談し、寄宿舎や児童養護施設などでの対応を考えたい」と話している。同様の県立施設があるのは、福島、茨城県を含め全国で三県となっている。(永山啓一)

(2007.10.6)


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