2006年度の広島県東部4市2町 保護者の責任感欠如も 広島県東部の四市二町で、二〇〇六年度の保育料滞納額が計三千六百万円余りに上ることが二十八日、分かった。経済的理由による滞納が目立つ一方、一部の保護者の責任感の欠如も背景に絡んでいるとという。各市町は、差し押さえや延滞金徴収などの対策を強めている。) 四市二町の保育所は公立、私立で計二百十一カ所。〇六年度の保育料は計四十三億二百七十六万七千円で、滞納額の割合は0・9%となっている。滞納している保護者数は四百八十人で、全体の3・2%に当たる。 市町別の滞納額は、福山市が二千四百九十六万▽三原市が七百十六万▽尾道市が二百九十一万▽府中市が八十万▽神石高原町が六十二万▽世羅町が十二万円。滞納額の割合は三原市と神石高原町が1・4%と最も高く、府中市が0・3%で一番低い。四市二町とも全国総計の1・7%は下回っている。 滞納の理由について各市町は、「保護者に収入が不安定なフリーターや派遣社員が増えた」「多重債務者が目立つ」などと経済的な側面を挙げる。一方で、「分割で収めると約束したのに期限を守らない」「『忘れた』『請求の文書を見ていない』などと主張する」といったケースもあるという。一部の保護者の責任感の欠如が滞納の絶えない要因の一つ、と各市町はみる。 過去五年間のデータがある四市で保育料に占める滞納額の割合を見ると、いずれも改善傾向にはある。ただ、最も改善した福山、尾道市でも〇二年度比で1・9ポイント減にとどまる。 実態を踏まえ、三原市は本年度から保護者の預金口座の差し押さえを始めた。世羅町はペナルティーの延滞金を徴収する制度を設けるなど、各市町とも対策を強める。 一、二カ月の滞納でも督促を徹底している府中市は、分割納付の相談などに積極的に応じているという。市児童課は「多額の滞納を防ぐには、早期に保護者と連絡を取り合うことが重要」と説明している。(赤江裕紀 (2007.9.29)
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