広島の矢野南小「見守り」実験スタート
情報通信技術と地域の力を合わせた「広島市児童見守りシステム」の実証実験が二十一日、安芸区の矢野南小でスタートした。携帯電話を通じ、登下校中の児童の位置などをボランティアがリアルタイムに共有できる仕組み。この日は、実施主体となる市や市産業振興センターなど七団体でつくる協議会が公開実験をした。 児童と保護者、通学路に立つ地域の見守りボランティアに電子タグの読み取り機能を備えた携帯電話約五百台を貸与。通学路の電柱など三十カ所に電子タグを設置し、タグの近くを通った児童の携帯電話から、自動的に時間などの情報が送信され、携帯電話やパソコンでチェックできる。 公開実験では、刻々と表示される児童の位置をスクリーンに映し出した。一定時間、決められた地点を通過しない児童を知らせる表示も確認。五日からのテスト運用に参加する同小PTAの高亀英作会長(43)は「人の目を補完する役割は大きい。精度が上がれば安心感も増す」と期待する。 実験は総務省のモデル事業で十二月まで行い、協議会が本年度中に報告書をまとめる。ボランティアグループ「ふれあいクラブ」の石原明雄副会長(70)は「簡単で便利。通学路から外れた際に、どういう体制が取れるかが課題」と有効利用に意欲を見せていた。(久保田剛) (2007.9.22)
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