中国新聞


24時間保育 軌道乗る 萩市


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 夜勤を伴う看護師らの仕事と子育ての両立を支援するため、市は本年度から、乳幼児を二十四時間預かる委託事業に乗り出した。自治体の終日保育は中国地方で初めてという。全国から視察が相次ぎ、利用者も徐々に増えている。

 市中心部にある私立日の丸保育園に委託した。一歳から六歳までの乳幼児を火、水、金曜日の週三回、午後八時から翌日午前九時まで受け入れる。保育士ら二人以上が常駐する。一人を預かる保育料は午後十一時まで千円、午前二時まで千五百円、同九時まで二千円となっている。

 萩市土原、自営業宮内明美さん(35)は「夜間に働けるので助かる。保育料も安い」と週三回、二歳の長女を預ける。

 「昼以上に夜間保育は配慮することが多い」と秋田安世園長(64)。モニター付きインターホンや監視カメラなど防犯システムを充実させ、男性保育士一人を必ず夜間専門に充てる。急病に対応するため市民病院との間で受け入れ態勢も整えた。

 四月の利用はなかったが、五月は十人、六、七両月は各十九人と軌道に乗り始めた。市子育て支援課の田中隆志課長(51)は「利用者の声を参考に、受け入れ日数の増加を検討したい」と意気込む。

 二〇〇五年に一市二町四村の合併で誕生した新市。その合併協議でも、深刻化する過疎化への危機感は強く、新市建設計画や〇五年度に策定した新市の健康福祉計画に、少子化対策や子育て環境の改善が盛り込まれた。田中課長は「若者が定住できるまちづくりは新市の重要な課題」と強調する。

 合併前は、旧須佐町が乳幼児医療費の全額助成を児童まで拡大していたものの、そのほかの自治体に目立った施策はなかった。このため新市誕生と同時に、保育所に一世帯二人が同時に通う際、二人目の保育料は無料とし市の負担とする施策も始めた。昨年度は三百八人分、計約三千万円を計上している。(浜村満大)


 2005年3月に萩市、田万川町、須佐町、川上村、福栄村、旭村、むつみ村が新設合併した。面積は699平方キロで、人口は5万7804人(8月1日現在)。05年度決算の地方債残高(企業会計を含む)は739億1592万円で、住民一人当たりの借金は127万9000円。

(2007.9.7)


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