子ども向け英語教材 「親しむ」工夫 ■「必修化」へ高まる関心 進化する絵本やゲーム 小学校での英語教育の必修化が議論される中、子ども向けの英語教材が多様化している。広島都市圏の書店やおもちゃ店には本、CD、ゲーム、パズルなどが並ぶ。ほとんどの商品は、まずは英語に親しみをもてるよう、楽しみながら学べる工夫を凝らしている。(山成耕太) 広島県府中町のダイヤモンドシティ・ソレイユ内にあるフタバ図書TERA広島府中店は、子ども向け英語学習コーナーを設けている。親子が歌を通じて英語に親しめるよう目指したのは「Wee Singシリーズ」(米プライス・スターン・スローン社、千三百円)。歌詞付き楽譜とCDがセットで、CDには童謡など約六十曲を収録している。 「First concepts ABC」(米セント・マーティンズ出版、八百四十円)は、簡単な仕掛けを用意する。各ページにアルファベット一文字が大きく書かれ、小窓のような部分をめくると、その字を頭文字にした動物などの単語と写真が現れる。 親子で読み比べ 同店は八月から、「よみくらべよう日英 名作絵本フェア」を始めた。「ぐりとぐら」「はらぺこあおむし」など名作絵本の日本語と英語版を並べて陳列。日本語、英語版と続いて読み聞かせると、英語が頭に入りやすいという。中野裕美洋書・児童書担当は「親しみあるキャラクターを使った絵本が増えてきている」と最近の傾向を説明する。 携帯型ゲーム機を活用し、遊びながら学習する動きも広がる。広島市中区のデオデオネバーランド袋町店では、幼児向けにニンテンドーDS Lite対応ソフト「はじめてのえいごトレーニング えいトレ」(三千五百円前後)を購入する親が目立つという。音声で流れる英単語と絵柄を結びつけるなど、文字や単語を学ぶ十種類以上のゲームを収録。アルファベットをタッチパネルに書き込むと、形の正しさを判定する機能もある。 「塾の行き帰りなど、場所を選ばず学べるのもゲーム機の長所」と松島慶フロア責任者。ゲーム機を、中学生の教材として英語の授業で活用している京都府内の教育委員会もある。 熱心な早期教育 小学校からの英語教育は、文部科学省が議論を進める中、広島市教委は二〇一〇年度からの必修化を検討している。早期の英語教育の有効性を指摘する声も多く、家庭で下地をつくろうという親が増えているのが人気の背景にある。 ゲーム機以外にも、学習を支援するおもちゃは多彩だ。教育玩具を輸入販売するボーネルンド広島店(中区)では「ナンバーパズル」(英ガルト社、千六百八十円)が人気という。一から十までの英単語、洋数字、恐竜などの絵のパズル片があり、数字ごとにジグソーパズルのように組み合わせる。 「パス ザ ワード」(英オーチャード社、二千九百四十円)はつづりを学ぶ。鳥や猿などの絵とつづりが書かれたカードの横に、AからZまでのアルファベットのカードをつなぎ合わせ英単語を完成させる。複数でプレーして完成数を競うようになっている。「英語の学習は継続が大切。上手に遊びを取り入れて、学ぶ楽しさを感じさせるとうまくいく」と金沢紅店長はアドバイスしている。(価格は店頭価格) (2007.8.25)
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