中国新聞


発達障害児の支援強化
広島市、専門家チーム新設


 139園の保育士研修も

 広島市は、自閉症や注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害を乳幼児期に発見、支援するため、乳幼児健診の充実など体制を強化する。医師らによる専門家チームを新設し、二十九日に初会合を開く。保育士対象の講座も開いて、障害に的確に対処する「発達支援コーディネーター」を養成。公私立保育園計百三十九園に配置する。

 専門家チームは、医師や保健師ら九人で構成する。早い段階で障害を見つけ、適切な療育につなげるため、生後四カ月、一歳六カ月、三歳児を対象に各区の保健センターが実施している健診体制の見直しを検討。現在の問診項目に過不足がないか、健診マニュアルづくりが可能かどうかなどを協議する。

 本年度中に方向性をまとめ、担当医の研修をする。保健センターの担当職員対象の研修プログラムは七月に始まり、約百四十人が障害の基礎知識や支援法を学んでいる。

 保育士向けには「発達支援コーディネーター養成講座」を七月に開講。五日間計三十五時間で、多様な障害の特徴に応じた支援や保育環境整備、保護者のカウンセリング方法などを学ぶ。公立全九十園と、私立は一部を除く四十九園から一人ずつが参加している。

 市は発達障害児・者の支援の在り方を協議している検討委員会の提言を受け、取り組み強化に乗りだした。発達障害が外見で判断しにくく、障害に気付かないケースも多いため、啓発にも力を入れる方針。

 保育士研修のうち、九月十一日午後二時から東区民文化センターである講演会は一般開放する。山口県立大の林隆教授がADHD児の支援などをテーマに話す。無料。(田中美千子)

(2007.8.22)


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