広島市教委 独自に教諭加配 広島市教委は二〇〇八〜一一年度の四カ年度で順次、小学三年〜中学一年の一学級の人数を現行の四十人から原則三十五人以下にする。個々の児童、生徒にきめ細かな教育をするのが目的。新たに必要となる教諭は市が独自採用する。二十日、中区の市役所北庁舎であった教育委員会議で説明した。市教委は「小中学校を通じた三十五人学級の取り組みは政令市で初めて」としている。(田中美千子) 現行は、小学一、二年に限り、児童数が三十五人を超える学級が一学年に三学級以上できる場合に、県教委が教諭一人を加配し、一学級三十五人以下にしている。市は県教委の加配に加え、独自加配することで「三十五人超が二学級以上の場合に加配」と制度を拡充。さらに小学三年以上の学年にも制度を適用していく。三十五人超が学年に一学級の場合、非常勤講師一人を充てる。 〇八年度は小学一、二年の制度拡充と、小学三年、中学一年への制度導入を実施。一一年度まで順次、小学四〜六年に拡大する。最大の課題は教諭の増員、裏付けとなる予算の確保。市の推計では最終年度の一一年度には、現在の教諭数よりも小学校で計二百三人、中学校で計三十六人の増員が必要となる。 独自加配や施設整備により、市が負担する経費は〇八年度以降十年間で百二十六億円に上る見通し。委員から「多額な経費が必要。少人数学級の成果が市民に見えるよう努力を」との注文が出た。市は、九月の補正予算案に採用試験の経費、施設整備費などを計上する。 市教委は一二年度以降も引き続き学級の少人数化を進め、小中学校全学年で二十人程度の少人数学級実現を目指す方針。 (2007.8.21)
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