中小企業に策定義務化 山口県 条例制定へ検討 少子化対策を重点課題に掲げる山口県は、「子育て文化創造条例(仮称)」に、従業員三百人以下の中小企業を対象にした子育てと仕事の両立を支援する行動計画の策定の義務づけを盛り込む検討をしている。県内の企業の総従業員数の八割強が中小企業で、子育て支援の実効策を高めるのが狙いだ。骨子案の公表とともに、義務化についても意見を募り、年内の制定をめざす。(高橋清子) 行動計画は、雇用環境や労働条件の整備の目標を定めて、労働局に届け出る。二〇〇五年四月に全面施行の次世代育成支援対策推進法で、従業員三百一人以上の企業に策定を義務付けた。しかし、三百人以下は努力義務となっている。 山口労働局によると、十三日現在、三百人以下の企業は二百六十一社が提出。県の入札優遇制度を受けて建設業者の届け出が急増したものの、県内の中小企業は約五万社で遠く及ばない。 県が中小企業千六百二十五社を対象に、昨年度に子育て支援の実態を調べた。次世代法の中身を知らない企業は80%を超えた。「今後も行動計画を策定する予定はない」と回答した企業が56%を占めるなど企業側の意識改革が課題となっている。 県は、子育てで県民には家庭でのしつけ、企業には職場の雰囲気づくりなどを求める条例の骨子案をまとめて公表。二十四日まで県民から意見を募っている。 条例の制定と同時に、企業の意識改革を進めるため、入札資格の審査で優遇策を拡充。七月一日の更新から、建設工事で行動計画を審査項目に加え、届け出ていれば資格のランクを決める点数に上積んでいる。 今後、行動計画を達成して国の認定を受けた企業への加点を検討。さらに、十月からは物品購入、業務委託の入札業者の名簿の更新でも審査項目に導入する。 (2007.8.17)
|