2006年度 小学校増加目立つ 広島県内の公立の小中高校で二〇〇六年度に起きたいじめの件数が七百七十七件に上ることが十日、県教委の調査で分かった。いじめの定義が変更されたため単純比較はできないが、〇五年度(三百四十六件)の二・二倍。県教委は、特に増加が目立つ小学校での生徒指導を充実させる。(村田拓也)
内訳は、小学校二百七十五件▽中学校四百五件▽高校九十七件。〇五年度からの増加率は小学校が三・二倍と最も高く、中学二・〇倍、高校一・七倍となっている。 学年別では、小学校は学年が上がるほど件数が増え、六年の七十六件が最多。全体では中学一年の二百二件がピークで、その後は減少する傾向にある。いじめを受けた児童、生徒は小学五、六年を除き、女子よりも男子が多かった。 いじめを理由に、公立の小中学校を三十日以上欠席する「不登校」となった児童、生徒数も初めて調査。小学生で十七人、中学生では百十人で、不登校全体に占める割合はそれぞれ2・3%、4・6%だった。 子どもが教師を殴ったり、物を壊したりする暴力行為も、小学校での増加が目立つ。公立の小中高校での発生件数は合計千六十二件で前年度から三件減。中学と高校でそれぞれ七件減ったのに対し、小学校は十一件増の百二十一件。二年連続の増加となった。 県教委は〇四年度から生徒指導担当を小学校にも配置するなど、小学校の指導体制を強化。いじめ対策では昨年十一月、教職員向けの生徒指導資料や相談窓口などを紹介するホームページの充実を図った。 本年度も国の事業を活用し、東広島市と安芸太田町が「いじめ」、呉市と府中市が「暴力行為」、広島、福山、三原、三次の四市が「不登校」をテーマとして防止策や早期発見、対応策などを探る。県教委指導三課は「家庭とも連携し、いじめや暴力行為などの問題行動が起きない仕組みづくりを進めたい」としている。
(2007.8.11)
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