2006年度 山口県教委の公立校点検 予算つかず代替策 山口県教委は、児童、生徒の安全確保や学校の安全管理の充実、強化に向けて独自に設けた「四十の点検項目」について、昨年度の状況をまとめた。多くの項目で改善がみられるものの、半数の学校で不審者の侵入防止の施設改善が進んでいない現状などが明らかになった。二〇〇一年の大阪・池田小児童殺傷事件を機に始め、六回目。
点検は、公立校全校となる幼稚園六十園、小学校三百三十四校、中学校百六十四校、高校七十二校、特別支援学校十四校が対象。教職員の連絡体制▽来訪者の確認▽不審者情報があったときの連絡▽登下校時の安全確保▽地域の団体との情報交換など、十六分野で計四十項目を設けて、現状の報告を受けた。 内容がほぼ同じ〇四、〇五の両年度との比較では、実施率100―90%は二十五項目、三十一項目、三十四項目と年々増えており、取り組みは充実している。 ただ、90%未満は六項目で、うち三項目が予算措置を伴う施設面の不備だった。 「使用しない校門を施錠し、通用門を登下校時以外は閉める」は実施率48%、「事務室や職員室からの見通しが確保できている」79%、「学校の敷地内への出入り口を限定している」は76%。不審者の侵入防止策は依然として遅れている。 県教委は、予算を伴うため急な改善は難しいと判断。代替策として(1)来訪者に名札・来校証を着けてもらう(2)計画的な校内巡視(3)校舎内に入るときのチェック体制の強化―などを指導し、各校の実情に応じた取り組みを求めている。 また、児童、生徒の登下校を見守る地域ボランティア「スクールガード」との連携は実施率85―89%だった。県教委は「組織はあっても、実質的に機能しているか、学校と連携が取れているのかが課題」と、より充実を図る考えだ。 さらに、この六年間の点検を踏まえて、本年度から項目を全面的に改定し、新たな防犯対策の点検を進める。(高橋清子) (2007.7.25)
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