中国新聞


いじめ 小学校で4倍
広島市教委 06年度調査


 要件拡大 中高でも増加

 広島市教委は十八日、二〇〇六年度に認知した小中高校と特別支援学校のいじめや不登校、暴力行為の件数をまとめ、市役所北庁舎であった市教育委員会議に報告した。いじめは文部科学省が定義を変更して該当事案が広がったこともあり、前年度の八十二件から二百十八件へと激増した。

 いじめの内訳は、中学校百三十件(前年度六十一件)、小学校八十三件(同十九件)、高校五件(同二件)。中学校でほぼ倍増し、小学校で四倍強となった。

 前年度までは「継続的」「一方的」な攻撃を受けた子どもが「深刻な」苦痛を感じているケースをいじめと認定していたが、今回から要件を拡大。精神的な苦痛を感じている事案はすべてカウントした。市教委は「いじめの社会問題化を受け、全市的に早期発見の取り組みを強化したことも件数アップにつながった」と分析している。

 年間三十日以上欠席した不登校の児童、生徒数は計千二百十人で、前年度より二人多かった。登校できなくなった時期は中学一年が三百二十九人と最も多く、学習内容も含めた環境の急激な変化が要因の一つになっていることがうかがえる。児童や生徒が起こした暴力行為の認知件数は計二百五十五件で、前年度より九件多かった。(田中美千子)

(2007.7.19)


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