笠岡市職員、「命」訴え 冊子に25人メッセージ 小中校に配布
いじめに悩む子どもを救おうと笠岡市職員労働組合(五百七十人)が冊子「今、いじめられているきみへ」を作った。特別職や管理職を含む市職員二十五人のメッセージを収録している。寄贈を受けた市教委は今月中に市内の全小中学生に配る。(杉本喜信) 「きみが死ぬことはない。逃げて」「少しの勇気を持って気持ちを周りに伝えて」などと呼び掛けている。市長や教育長をはじめ、市民病院、消防本部などの二十七〜七十三歳の職員が執筆した。 中学でいじめられた経験を明かし、人生の先輩として「あなたにはこの先、楽しいことがいっぱいある」と訴える幹部や、「いっぱい話を聞いてあげる」と自分の携帯電話やメールアドレスを載せた職員もいる。 昨年、北海道や福岡県などでいじめ自殺が相次いだことを受け、同組合執行部が「命を守るためにできることを」と企画。昨年十二月、職員に執筆の呼び掛けを始め、五月までの機関誌に載せた文章を再収録した。 A4判、二十六ページ。三十万円かけて五千部作製、うち四千七百部を寄贈した。市教委は「いじめ根絶にもつながる」と全校配布を決めた。 企画の中心になった副執行委員長の井上洋一さん(46)は「一人一人が真剣に思いをつづった。子どもが一人でも救われるきっかけになれば」と話している。希望者には無料で分ける。市職組Tel0865(63)4738。 (2007.6.22)
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