県内14市で最低 基準適用前が多数 市教委、体育館から補強へ 福山市の公立小、中学校施設の耐震化率は29・2%で、県内十四市で最低であることが分かった。現在の耐震基準が適用される前の一九七〇年代、児童・生徒の急増に伴って建てられた学校が多いのが理由。市教委は本年度、地域の避難拠点である体育館から補強工事に取り掛かる。(野崎建一郎)
市教委は、市内の小学校七十八校、中学校三十六校の校舎と体育館の全五百四棟を診断。うち七割強の三百五十七棟が、震度6強の地震を想定した現行の耐震基準を満たしていなかった。耐震化率は、58・6%の全国平均の約半分にとどまり、44・8%の県平均も下回っている。 基準以下の三百五十七棟のうち、老朽化が激しい建物など百七棟については詳細な二次診断を実施。約半数に当たる五十四棟は、震度6強の地震があった場合、倒壊の恐れが高いと判明した。 福山市では、六六年に日本鋼管福山製鉄所(現JFEスチール西日本製鉄所)が本格操業を始め、人口が急増。児童、生徒数も増え、七〇年代に学校の新設、改築が集中した。八一年の現行の耐震基準適用前だったため、強度が足りない施設が多い。 市教委は本年度、地域の防災拠点でもある学校体育館を優先して補強工事をする。本年度は、南小▽泉小▽旭丘小▽曙小―の四小学校で実施する。校舎についても、補強計画を策定していく。 県東部では、このほか古い施設を長年使用している学校が多い神石高原町の耐震化率が27・6%と低かった。他の市町は、尾道市が33・5%▽三原市が42・1%▽府中市が43・8%▽世羅町が73・5%。各市町は、詳細な耐震診断や補強工事を順次、進めていく。 (2007.6.15)
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