山口県、栄養教諭増員 全13市に配置 山口県教委は、小中学校での食育指導に力を入れている。栄養教諭を中心とした展開を実現するため、今春から十三市すべてに配置。県の食育推進計画に盛り込んだ児童の朝食摂取率を二〇一〇年に100%にする数値目標の達成をめざす。県教委は「子どもの知徳体のバランスを取るためには、土台となる食が重要」と強調している。(高橋清子) 栄養教諭は、正しい食習慣を身に付けてもらうため、国が二〇〇五年度に創設した。栄養職員と比べて人件費が高いなどから全国的に配置が進んでいない。 県教委は〇六年度に七人を初めて採用。本年度に周南市立櫛浜小や柳井市立遠崎小、防府市立国府中など八校にも一人ずつ配置し、十三市一町の小学校十校と中学校五校、県教委一人の計十六人となった。 山口市の仁保小では、〇六年度に栄養教諭の吉富恵子教諭が着任した。給食時間に献立の説明を始めたり、授業で茶摘みや田植えを体験したりと新たな食育プログラムを進めた。 吉富教諭は「子どもたちが給食のレシピを尋ねるなど、食への関心が高まっている」と手応えを感じる。給食の献立やレシピを載せた便りを保護者に配り、家庭での食育普及も試みている。 県教委が栄養教諭を〇六年度に配置した七校を対象に、児童、生徒の朝食摂取率を調べたところ、〇五年度の86・9%から91・2%に増えているのが分かった。 県教委は「教育現場を拠点に、食育を地域を含めて進めるために、今後も配置していきたい」としている。
(2007.6.8)
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