車内で安全・心地よく 乗降時 親の負担も軽減 乳幼児を交通事故から守るため、6歳未満を車に乗せる場合、装着が義務付けられているチャイルドシートの機能が高まっている。広島都市圏の販売店では、衝突のショックを吸収するハイテク素材や熱を逃がす機構を採用するなど、子どもの乗り心地や安全性を追求したタイプが続々登場。シート装着や子どもを乗せる親の負担をより軽減した商品も高い支持を得ている。(境信重)
ベビーザらス広島府中店(広島県府中町)の売れ筋は「ゼウスターンEG ZV―698」(コンビ、四万九千七百九十九円)。頭部を支える部分にゲル素材を含んだ衝撃吸収剤を採用し、走行時の振動や万一の事故の際の衝撃を大幅にカットする。 底部を車の座席に固定し、シートは横方向に自由に向きを変えることができるため、保護者は楽な姿勢で子どもを乗せたり降ろしたりできる。飯島圭司ディレクターは「お子さんと二人で出かける機会の多いお母さんにお薦め」という。 二〇〇四年四月の発売から、装着しやすさで根強い人気なのがタカタ04ネオ(タカタ、三万九千九百九十九円)。国は子どもの成長段階によってシートの装着の向きを定めている。体重九キロ以上から前向きに座らせてもよいとしており、同商品はシートのハンドル部分を回すだけで前向きに装着できる。 ▽「ベッド型」人気
チャイルドシートは、座らせる「いす型」が主流だが、首が据わらない乳児をあおむけに寝かせて負担を軽くし、座席に固定する「ベッド型」も人気を集める。 アカチャンホンポ広島アルパーク店(広島市西区)ではベッド型の「マシュマロターンベッドWサーモ950」(アップリカ葛西)の販売が好調だ。あおむけに寝かせ、頭部を柔らかなクッションで包み込む。熱がこもらないよう座面の下と肩口に通気口を設けた。 西村雅博副店長は「一日のほとんどを眠って過ごす赤ちゃんのために自然な姿勢で寝かせてあげられる」と人気の理由を説明する。一人座りができるまでベッド型で使用し、成長に合わせていす型にもできる。 シート単体で前後に揺らすことができ、ゆりかごとしても使える「グッドキャリーYW」(コンビ)は、乳児を寝かせたまま持ち運べるため好評という。 チャイルドシートは二〇〇〇年四月、六歳未満の乳幼児を車に同乗させる場合、装着が義務付けられた。安全基準は厳しくなる傾向で、メーカーは機能や使いやすさを競い合っている。少子化の流れの中、子ども一人にかける費用が増え、機能が高い高額商品を求めるニーズも出ている。 ▽デザインも重視 機能に加え、デザインを重視した商品も登場している。モンテカルロ吉島店(中区)が販売している「エールべべ・サラットハイバックジュニア」(カーメイト、一万二千八百円)は、スポーツカーのシートのような形状が特徴。湾曲した幅の広い背もたれが全身をしっかり受け止める。 担当の流田維摩さんは「車の内装の質が向上しているのに伴い、チャイルドシートのデザインにこだわるお客さんも多い」と話す。 高機能化が進むチャイルドシートだが、使用方法を誤ると効果は大きくダウンする。警察庁の〇六年の調べによると、使い方が不適切な場合の死亡・重傷率は適正な場合の三・一倍に上った。 ベビーザらス広島府中店の飯島ディレクターは「店員の説明をしっかり聞いて正しく使ってほしい。何よりも、保護者がスピードを出さない安全運転をすることが大切です」とアドバイスしている。(価格は店頭) (2007.5.26)
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