大竹の国立センター 外来担当医1人異動 大竹市玖波、国立病院機構・広島西医療センターが医師不足のため、小児科診療の一部受け入れ制限を始めている。産婦人科は既に二〇〇五年七月から分娩(ぶんべん)の受け入れを中止。地域の中核を担う医療機関だけに、市は「若者世帯の市外流出につながりかねない」と懸念している。 小児科診療は四月から、それまで二十四時間態勢で受け付けていた救急の時間外診療を、午後八時までとした。同時に、入院についても期間が一週間程度の軽症患者に限定。重症患者は市外へ転送する。これまでに岩国市の国立病院機構・岩国医療センターへの転院が一件あったという。 広島西医療センターの小児科医は七人いて、筋ジストロフィーなどの専門医を除き、一般外来は二人で担当していた。うち一人が四月、広島大医学部の都合により呉市の病院へと異動。後任の派遣を要請したものの、実現していない。 同センターの小児科は〇六年度、延べ約一万五千人の外来患者、約三千五千人の入院患者を診療している。 沖田肇院長は「全国的に、出産の多い病院に小児科医が集約される流れとなっている。当センターも将来、小児科の一般外来を廃止することもあり得る」と話す。 小児科・産科医は全国的に不足。県によると、県内では〇五、〇六年度に計六病院が小児科を廃止した。また、出産できる医療機関がない自治体は大竹、庄原、江田島など三市六町に上る。 大竹市保健介護課は「県と連携し対応策を考えたい」と強調。県医療対策室は「非常に残念で何とかしたいが、すぐに医師を補充できる状況にない。地元の開業医や医師会などと話し合い、解決策を見つけたい」としている。(西均) (2007.5.26)
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