広島の市立校 管理よりも憩い重視 高木類の枝葉を伸ばしっ放しにする無剪定(せんてい)作戦に、広島市内の市立学校が取り組み始めた。管理のしやすさを優先し秋以降に年一回剪定していた従来の方針を見直した。緑あふれる憩いの空間を校庭に広げていくのが狙いだ。(鴻池尚)
広島市教委が本年度から、二百四十一の市立小中高校や幼稚園の校庭にあるクスノキやアオギリ、イチョウなど高木類を対象に始めた。毎年の剪定で管理はしやすかった半面、樹木の成長が抑制され、校庭などが豊かな緑に覆われにくかったという。 市教委は、枝葉の蒸散作用によるヒートアイランド対策▽緑陰の増加による校内の地面温度の低下▽緑視率の向上に伴う街の安らぎ感―などの効果を期待している。さらに、年四千万円ほどかかる剪定費用が削減でき、その分を緑化推進事業に回す。 低木類や、道路に面した高木類は落ち葉の処理などで住民の理解が必要なため対象から外した。 無剪定は他の都市でも取り組みが始まっているが、これまで広島市の市立学校では中区の基町高校など十数カ所にとどまっていた。市教委学事課は「地域ぐるみの取り組みにつながれば」と期待している。 (2007.5.19)
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