若手確保へ別枠支給 広島の松尾電工 電気工事業の松尾電工(広島市南区)は今月から、十八歳未満の子どもがいる社員全員に、子ども一人当たり月約五千五百円の「子育て手当」の支給を始めた。家族手当とは別枠で、支給目的として子育て支援を明確に打ち出した制度は、地場中小企業では珍しいという。 新たな手当導入は「安心して子育てができる労働環境づくり」(松尾行雄社長)や若手社員の確保が狙い。従来の家族手当(月五千円)に加え、満十八歳になるまで最長十五年間支給する。社員十四人のうち二人の子ども計五人が対象になる。 同社は官民発注の屋内電気工事などを手掛け、売上高は年間約二億五千万円。四十歳から五十歳代前半の社員が半数近くを占め、「十年後に技術の継承が困難になる」と導入を決めた。 広島県労働福祉室によると、少子化対策として育児休業取得の推奨や労働時間の短縮に取り組む企業は多いが、家族手当とは別に、子育て支援を目的に子どもの数に応じて手当を支給する例は中小企業ではあまりないという。(村上和生) (2007.4.25)
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