中国地方の金融機関 地域密着アピール ▽子ども扶養で金利優遇/授乳スペース設置 中国地方の地場金融機関で、子育て中の家庭向け金利優遇サービスや店舗内に授乳室設置など育児支援に取り組む企業が相次いでいる。社会全体で少子化対策に取り組むことが求められる中、各金融機関とも地域貢献をアピールするとともに新たな顧客獲得も目指す。(奥田美奈子)
広島銀行(広島市中区)は今月から、三年固定金利型住宅ローンで、子ども三人以上の顧客を対象に金利優遇制度を始めた。三年間は0・1%、四年目以降も引き続き三年固定を選んだ場合は0・3%を優遇する。 企業の社会的責任(CSR)活動の一環で、社会全体での子育て支援が必要との考え方を商品に反映させたという。広島銀は「手数料や金利引き下げだけでは選ばれる銀行にはなれない。社会貢献の姿勢をしっかり示して、顧客の支持を得ていきたい」と説明する。 住宅ローンの金利優遇では、中国銀行(岡山市)が昨年八月、二十歳未満の子ども三人以上の扶養者を優遇の対象にした。島根銀行(松江市)も昨年六月、十八歳未満の子どもとの同居を条件に対象に加えた。西京銀行(周南市)の女性用マンション購入ローン利用者には出産時、託児所利用時の金利優遇がある。 トマト銀行(岡山市)は昨年十月から住宅ローンだけでなく、定期預金や消費者ローンでも、岡山県が子育て中の家庭に交付する「ももっこカード」所有者を優遇。山陰合同銀行(松江市)は教育ローンで、呉信用金庫(呉市)は個人ローンで、それぞれ子どもの有無や人数に応じた優遇をしている。 施設面で支援するのは広島信用金庫(中区)。乳幼児連れでも訪れやすい店舗づくりを目指し、広島市、廿日市市などの九店舗で二月、応接室を授乳に使ってもらうサービスを始めた。安芸府中中央支店(広島県府中町)には、待ち時間に子どもを遊ばせる遊具コーナーも設けた。 広島信金は「地元密着型企業として、子連れでも気軽に外出できる街づくりに貢献したい」としている。 (2007.4.21)
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