中国新聞


神辺の小学校英語助手派遣、他市域へも
福山市教委 「積極性育つ」と評価


 昨年三月、福山市に合併した旧神辺町で特例措置として続けてきた小学校への英語指導助手(ALT)の派遣について、市教委は新学期から他の市域にも広げる方針を決めた。「児童のコミュニケーション能力の向上が図れる」と、旧町以来の取り組みを評価して判断した。旧町でも従来通り存続させる。(小島正和)

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ALT(左から2人目)が語り掛ける英語に耳を傾ける道上小の児童たち(今年2月)

 「ハロー」「ハウ アー ユー」。神辺町道上の道上小の五年生の教室に英語の発音が響く。児童が懸命に耳を傾ける相手は、オーストラリア出身の男性ALTだ。木ノ原須麻子校長は「発音が良くなるのはもちろん、相手の目を見て話したり、あいさつができるようになったりと、子どもの態度が変わった」と効果を語る。

 旧神辺町は二〇〇四年度、町内の小学校全六校で英語指導を始めた。ALT四人を独自採用し、全学年が週一時間、「生きた英語」に触れる機会を設けてきた。

 〇六年三月の福山市との合併にあたり旧町は「保護者の希望が強い」と存続を要請。これを受け市教委は〇六年度の特例として認めた。一方、他の市域ではALT十一人を原則として中学校に派遣しており、旧神辺町との「小学校間格差」の解消が課題となっていた。

 一年間、旧神辺町の取り組みを見てきた市教委指導課は「外国の人に物おじせず積極的に話をする意識が、児童に芽生えている。英語への関心が高まれば中学校での教科学習にもスムーズに移行できる」と評価。全市域で小学校の英語指導を充実させることにした。

 市教委は〇七年度、旧神辺町以外のALTを十一人から十四人に増員して小学校への派遣を順次進める。また、各小学校が海外在住経験者らを独自に募る特別非常勤講師の採用予算枠を増額。さらに関連予算の充実を検討していく。

(2007.4.6)


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