山口県教委がマニュアル
山口県教委は、二〇〇五年に起きた光高爆発事件や下関市の女子中学生自殺事件の教訓から、児童・生徒の問題行動や事件に直面した時に備えた学校向けのマニュアルを作成した。いじめや非行など事例ごとの対応を、経過期間に沿って示すチェックシート方式でまとめた。県内すべての小中高校に配布した。 マニュアルは万引、いじめ、薬物乱用、性の逸脱行為といった問題行動や警察への対応など二十二項目で構成。発生後に学校がすべき指導や連絡を「初期」「初期・中期」「中期・長期」と経過を追って整理した。 校長や教師が活用できるよう対応は個条書きにし、それぞれチェックを入れる方式にした。例えば、被害生徒の保護者への対応にある「電話による概要説明」の項では「生徒が保護者に話す前に、事実のみを伝える」「家庭訪問の了解を取る」などと細かく記している。 いじめの項目には分量を割いた。光高事件や女子中学生の自殺でいじめを早期に発見できなかった反省から、被害に気付く観察ポイントや情報収集の進め方を整理。疑問点をQ&A方式で解説している。 県教委は、私立も含めた六百三校に冊子とデジタルデータを配布した。学校から追加や改善点が出れば随時、改訂する。 学校安全・体育課は「生徒や保護者との信頼関係を築くためのマニュアル。学校の特徴や実情に合わせ工夫して役立ててほしい」と話している。(高橋清子) (2007.3.13)
|