福山市民病院 岡山大が医師派遣中止 福山市民病院(福山市蔵王町)の産婦人科が四月から休診することが七日、決まった。岡山大病院(岡山市鹿田町)が産婦人科医師二人の派遣を中止するためで、出産時の緊急事態に対応する広島県東部の医療拠点の一つが当面、閉鎖となる。 設置者の福山市によると、市民病院に勤務する産婦人科医師は二人で、いずれも岡山大から派遣されている。二人の派遣は三月末まで。市は代わりの医師が確保できないと判断し、四月から産婦人科の診察を休止する。 岡山大病院は二月上旬、派遣を打ち切る考えを文書で市民病院に通告した。その後、福山市の羽田皓市長が岡山大を訪れて撤回を求め、市医師会も派遣継続を要請したが、岡山大は産婦人科医師の不足を理由に方針を撤回しなかった。 広島県保健医療局によると福山市内では十四の病院・診療所が出産を扱い、出産の受け入れ態勢に問題はない。ただ、市民病院は母親の大量出血など出産時の緊急事態の対応で、県東部の中核的役割を担っている。今後は国立病院機構福山医療センター(福山市沖野上町)を中心に、医療体制を圏域でどう維持していくかが課題となる。市と市医師会は近く、官民でつくる協議会で対策を練る。羽田市長は「残念な結果だが、市医師会と連携し、医師を確保したうえで早期再開を目指したい」としている。(野崎建一郎) (2007.3.8)
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