中国新聞


助産師不足で分娩制限
廿日市のJA総合病院


 廿日市市のJA広島総合病院が二月から、分娩(ぶんべん)の受け入れ制限を始めた。周辺の医療機関が相次いで分娩を取りやめたため、取り扱い数が急増する中、現在十二人いる助産師のうち五人が三月末に退職。救急対応の必要な異常分娩などを担う高度医療機関として、リスクの高い妊婦を受け入れる態勢を維持していくため、正常分娩の制限を余儀なくされた。

 制限しているのは、出産で里帰りし、妊娠後半期の人などで、予約を受け付けなかったケースが既に数件出ている。助産師五人の退職は、開院を予定するなど主に自己都合によるもので、たまたま重なった、という。

 同病院の分娩件数は、昨年十二月までの本年度の九カ月間で五百二十九件。年間では七百件を超え、前年度より月六件以上も増える見込み。二〇〇五年以降、大竹市の国立病院機構広島西医療センターや周辺の開業医が分娩を次々に取りやめ、分娩が集中していることも背景にある。

 角重信病院長は「できれば制限したくなかったが、人員不足でやむを得なかった」と説明。助産師を募っているが、全国的な助産師不足の中で要員確保は難しく、制限解除のめどは付いていないという。(上杉智己)

(2007.3.5)


子育てのページTOPへ