男女全学年 全国平均上回る 本年度調査で初めて判明 県、食育推進へ
広島県内の中学生は男女とも、全国に比べて肥満の割合が高いことが、県統計調査室のまとめで分かった。すべての学年、性別で全国平均を超え、中一、中二男子の割合が目立つ。肥満児割合を都道府県別に調べた初の試みで、県と県教委は食育推進など今後の施策に生かす。(村田拓也) 昨年四〜六月、全国の幼稚園と小、中、高校が実施した健康診断の結果を、文部科学省が本年度調査として全国集計。一定の計算式で肥満度を算定した。肥満度20%以上を「肥満傾向児」、同マイナス20%以下を「痩身(そうしん)傾向児」と規定した調査の中から、県は県分のデータを抽出。性別と学年別の計二十六区分で全国値と比較した。 肥満児の割合が最も高いのは中一男子の15・2%。中二男子も14・5%を占めるなど、中学生は六区分すべてで全国平均を3・3―1・2ポイント上回った。都道府県別の全国順位は中二男子が五位となるなど五〜十五位だった。高学年ほど割合が低く、全学年で男子が女子を上回った。中学生以外で全国より高いのは幼稚園年長男子、小六男子、高一男子、小三女子だった。 痩身児の割合が全国を上回ったのは、小二、小四男子と高一男子、幼稚園年長女子、小一女子、中二女子、高一女子の計七区分。県内の子ども全体では、肥満でもやせでもない割合が高い。 初めてまとめたデータのため県や県教委は、原因や背景を分析できていない。県教委指導三課は「新年度から本格化させる食育推進の基礎情報に活用する。バランスのとれた食事や規則正しい生活など、各学校での指導にも役立てたい」としている。 一方、同じく初めて県別にまとめた健康状態では、虫歯(治療済みを含む)は小学生63・3%、中学生52・9%など全学年、性別で全国平均を下回る。一方、アトピー性皮膚炎は全体的に高い傾向を示し、小学生4・8%、中学生3・1%などだった。
(2007.3.3)
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