岡山大の「中止」覆らず 市など交渉 休診の可能性も
福山市民病院(福山市蔵王町)が、岡山大病院(岡山市)から産婦人科医二人の派遣中止を通告されている問題で、福山市と市医師会は二十七日夜、市内で岡山大側との話し合いの場を持った。市側は派遣継続を要請したが、岡山大はあらためて三月末での打ち切りを通告。四月から休診となる可能性が高くなった。(野崎建一郎) 会合には、福山市内で岡山大から産婦人科医の派遣を受けている市民病院、中国中央病院(御幸町)、国立病院機構福山医療センター(沖野上町)の関係者も同席。午後七時半から約三時間にわたり協議した。 市や市医師会は、市民病院が難度の高い分娩(ぶんべん)や出産後の大量出血への救急処置を、県東部の拠点として担っている現状を力説。市内の開業医からも派遣継続を望む声が高まっていると伝えた。 これに対し岡山大は、産婦人科医不足を理由に「二人の帰任は不可欠」と繰り返した。市医師会などが、岡山大から派遣されている三病院の産婦人科医を再配置し、市民病院の欠員を補充する案も示したが、受け入れられなかった。 市や市医師会は、岡山大に対する要請を続ける方針だが、三月末まで一カ月しかなく、派遣打ち切りを想定した対策を検討することも申し合わせた。官民でつくる福山・府中地域保健対策協議会を早急に開き、広島県東部での産婦人科の医療体制を維持する代替案を練る。 岡山大との会合に出席した福山市の開原算彦助役は「結論が出たわけではない。今後も医師会と連携して対応していく」としている。 (2007.3.1)
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