中国新聞


発達障害児守り支える
岡山県


 ■井原で講演会 タイプごとに解説

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発達障害児や保護者への理解と適切なサポートを促した講演会

 発達障害児への理解を深め、支援策を考える「子育て講演会」が二十一日、井原市の井原保健センターであった。同センターなどの主催。おかやま発達障害者支援センター(岡山市)の土岐淑子副所長が、子どもの状況に応じて周囲が対策を進める大切さを訴えた。

 土岐さんは、自閉症など発達障害のタイプごとに、思考や理解のパターンを解説。大人との信頼関係や、本人が守られていると安心できる環境づくりの必要性を説いた。

 注意欠陥多動性障害(ADHD)では、物を壊すなどの失敗を怒られ続けることにより、大人を避けるようになる例が多いことを説明。授業中の集中力が切れそうなころ、黒板を消すなどの作業をさせてほめる―といった工夫を紹介した。

 学習障害(LD)については「無理な努力を強いない」と強調。計算ができないなら計算機の使い方を教えるなどの工夫や、自尊感情への配慮を訴えた。  今回の講演会は、発達障害をテーマにした連続講座の初回で、市愛育委員や教員、保育士、母親ら約九十人が参加。二回目は三月

四日午後一時から、小ざくら保育園(倉敷市)の大岡孝之園長が、幼稚園や保育園、家庭での工夫について紹介する。無料。託児の申し込みは井原保健センターTel0866(62)8224。(小畑浩)


 ■相談・医療機関ガイド 岡山県井笠保健所が作製

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出来上がったガイドブック。表紙の絵は発達障害がある子が描いた

 岡山県井笠保健所は、子どもの発達に不安がある管内の保護者ら向けに、相談窓口や医療機関を紹介する小冊子「発達障がい支援機関ガイドブック」を作製した。希望者に無料で配布している。

 A4判十三ページ。「他者とのやりとりが苦手」「落ち着きがない」「計算などの習得が著しく困難」など発達障害の懸念がある子どもの状態を例示し、診療が受けられる岡山、倉敷、福山市などの医療機関と、井笠地域などの療育機関、県や市町の相談窓口など計二十三カ所を紹介している。

 井原市の「歩いていこう」など親の会四団体の活動内容や連絡先も掲載。診断を受けることによって子どもとの向き合い方が分かり、気持ちが楽になった会員らの手記も載せている。

 井笠保健所は発達障害者支援法の施行(二〇〇五年四月)を受け、管内の保育園、幼稚園、小学校の代表や福祉関係者、保護者ら約四十人と支援システムを検討する会合を重ねてきた。その中で「医療機関や窓口の一覧を」との要望が上がり、案内冊子を初めて作った。五百部印刷し、地域の保育園、幼稚園、小学校に配る。

 希望者は同保健所保健課へ。Tel0865(69)1673。(杉本喜信)


発達障害 脳機能の障害が原因とされ、対人関係に困難が表れる自閉症や、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などがある。

(2007.2.22)


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