福山市民病院に岡山大から通告 ■市長ら撤回要請 福山市民病院(福山市蔵王町)が、岡山大病院(岡山市鹿田町)から産婦人科医師二人の派遣を打ち切りたいと通告を受けていることが十九日、分かった。期限は三月末で市民病院に産婦人科医が不在となる事態を避けるため、羽田皓市長らが岡山大側に出向いて撤回を要請している。(木原慎二、野崎建一郎)
医療関係者によると、岡山大病院産科婦人科の平松祐司教授が、市民病院の浮田実院長に文書で通告した。市民病院の産婦人科に勤務する医師は二人で、いずれも岡山大が派遣。今のままでは四月以降の診療が危ぶまれる。今月中旬には羽田市長と浮田院長が平松教授を訪ね、撤回を求めた。 派遣中止の背景には、大学病院の慢性的な産婦人科医師不足がある。このため福山市医師会が調整に乗り出し、岡山大から派遣を受けている市内の病院間で産婦人科医師を再配置する案も視野に検討する方針。今月末には岡山大関係者を交えた話し合いの場を持つ。 市医師会によると、福山市内は開業医も多く出産の受け入れ態勢に問題はない。一方、市民病院は年間五十例前後の帝王切開手術を実施。麻酔科が充実し母体にリスクを伴う分娩(ぶんべん)、高度な処置が必要な婦人科患者の診療などを担っている。 岡山大からの派遣打ち切り通告について市民病院は「県東部の中核病院の責務を果たすため派遣の継続をお願している。医師会とも連携して要請する」と説明している。
(2007.2.20)
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