呉市、1年で36%減る ■法的措置や戸別訪問成果 全国的に深刻化する小中学校の給食費滞納問題で、昨年から法的措置に踏み切った呉市の滞納額は、一年間で三分の一以上減った。市教委は、給料の差し押さえや職員の戸別訪問による成果とみている。 市教委は昨年一月から、生活保護や就学援助を受けていない滞納家庭への戸別訪問を開始。五十件のうち二十六件を訪問し、悪質な七件については呉簡易裁判所に支払い督促を申し立てた。昨年十二月までに二件の保護者の給料を差し押さえるなど、計三十万八千円を徴収した。 訪問段階で支払いに応じたケースも十五件あり、一昨年十二月に二百十四万五千円あった滞納額は昨年同時期で36%減の百三十七万八千円となった。 学校給食法に基づき、積極的に法的措置を導入した呉市には昨年五月から、福山市や東広島市など県内五市町が滞納対策の視察に訪れたほか、広島県外二十自治体からも電話による問い合わせが相次いでいる。 市教委教育改革推進室の原真市室長(55)は「各校ばらばらだった対応を統一できた。滞納がある限り、法的措置は続ける」とし、給食制度に対する保護者の理解と払えるのに払わない無責任な親の意識改革を求めている。(新山創) (2007.2.15)
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