山口県新年度予算案 ■中国5県初 導入希望校募る 山口県教委は新年度から、公立小中学校の全学年で一学級三十五人の少人数学級導入を可能にする。既に小学校一、二年と中学校全学年で採用しており、今回は全学年への拡充となる。県が十四日発表した二〇〇七年度一般会計当初予算案に関連経費を盛り込んだ。小中学校の全学年での少人数学級の導入が可能になるのは中国五県では初めて。(奥田美奈子) 県教委は、きめ細かな指導ができ、いじめの防止や学力向上などに効果があるとして、〇二年度に中学一年で初めて導入し、拡充してきた。他の学年でも保護者や教員らから導入を求める声が高まったとして、全学年に広げる。 小学三〜六年は現在、一学級の定員が文部科学省の定める四十人だが、三十五人以下となるよう再編する。学級増に伴い必要となる担任教員は、国語や算数などの教科担任を充てる方針。 ただ、一学級三十五人以上の学校すべてに対応するには教員が足りないとし、県教委は事前に希望する学校を募り、全校児童数などを参考に導入校を決める考えだ。県内の三百三十四校のうち、半数程度での導入を見込んでいる。 また、教科担任を設けて特定教科に限って二十人以下の少人数での指導を継続する学校もあるとして、三十五人学級は選択制とする。〇七年度一般会計当初予算案では、少人数教育の推進費として給与費と学校教育支援員活用促進事業費を計上している。 中国五県では鳥取県教委が小学一、二年で三十人、中学一年で三十三人学級を導入。広島、岡山、島根県でも対象となる学校の規模基準を設けるなどして、小中学校の一部の学年で導入している。 (2007.2.15)
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