中国新聞


発達障害 幼児検診の充実を
島根県検討委


■報告書案まとめる

 医療や福祉、教育の関係者や保護者でつくる島根県の発達障害者支援体制整備検討委員会(委員長・高橋憲二島根女子短大教授)は、今後の支援体制のあり方についての報告書案をまとめた。年度内に成案をつくり、県へ提言する。

 報告書案では、早期発見のための検診体制が未確立▽松江・浜田教育センターへの相談の急増▽社会人として身に付けておくべきコミュニケーション技術の不足による就労、地域生活の困難―など現状の課題を列挙。児童精神科医の関与など幼児検診の充実や、関係機関の連携強化、県民向けの啓発活動などの必要性を訴え、乳幼児期から成人後までトータルでの支援体制整備をかかげた。

 検討委はまた、早期発見、支援に向けた手引書案もまとめた。「あやしても笑わない」「ことばの遅れ」など発見のポイントを挙げ、かかわり方についてのアドバイスも載せている。今春、幼稚園や保育所、市町村など関係先へ配布する。

 発達障害は脳機能の障害で、自閉症やアスペルガー症候群、学習障害、注意欠陥多動性障害などがある。教育委員会による児童生徒の調査をもとに県内に約一万七千人いると推測する試算もあるが、実数は分かっていない。

 県は昨年四月、出雲、浜田両市に支援センターを設置。これまでに二カ所合わせて約三百人が相談に訪れている。(和田木健史)

(2007.2.15)


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