中国新聞


廃園一転 こども園に
広島県北広島町の八幡幼稚園


■保育対応 4月から町が独自制度

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4月から「こども園」となる八幡幼稚園

 三月末で廃園になる広島県北広島町立八幡幼稚園が、三歳以上を対象に幼稚園と保育所の機能を兼ねた「こども園」として四月から再スタートする。既存の施設をそのまま活用し、就学前の保育充実を求める住民の要望にこたえる。(江川裕介)

 八幡地区に住む三歳から就学前の子どもを受け入れる。新年度の対象者は六人。幼稚園教育に加え、保育機能を併せ持たせるため、午前八時半から午後二時半までだった開所時間を、午前八時から午後五時半に拡充。夏休みなどの長期休暇もなくす。県が新年度から始める子育て支援事業の補助金を利用し、専任のアドバイザーを配置。週三日の相談日も設ける。

 国が昨年十月に始めた「認定こども園」制度を利用した場合、ゼロ歳児からが対象になり、赤ちゃんの入浴施設など三歳未満のための施設改修が必要になる。町の場合、三歳以上の受け入れで十分と判断し、独自の制度を取り入れる。

 町は昨年末、共働き家庭の増加で保育所のニーズが高まる一方、幼稚園の入園者数が減ったのを理由に、休園中を含む町内六幼稚園の廃園を決めた。しかし、八幡地区には保育所がなく、地元からは代替案を望む声が強まっていた。

 町は設置条例案を三月の定例会に提出する予定。東川邦男園長は「就学前の子どもを思う地域の情熱が実を結んだ。保護者の十分な理解を得られるよう務めたい」としている。

(2007.2.14)


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