ベビーカー 高機能化 ■照り返し反射/軽量化/楽に乗せ降ろし −おしゃれ・ブランドも重視 高機能、高級タイプのベビーカーが増えている。広島都市圏の販売店では、子どもの乗り心地や安全性に加え、ベビーカーを押す親の負担軽減にも配慮した商品が続々と登場。デザインを重視した海外ブランドも注目を集める。少子化で子ども一人にかける金額が増える傾向にあり、ベビーカーも高価格帯が売り上げを伸ばしている。(河野揚)
国内外のベビーカー約六十種類をそろえるベビーザらス広島府中店(広島県府中町)。中心価格帯は約三万円だが、最近は五万円前後が伸びている。 一番人気はアップリカ葛西(大阪市)の「ベビークルーザーロイヤル」(五万四千七百九十九円)だ。背もたれの裏側に断熱シートを張り、地面からの照り返しを反射。子どもの背中に熱が伝わるのを和らげる。さらに、四輪とも向きを変えられ、押す際の操作性も高めている。 海外ブランドの人気も高まっている。クイニー社(オランダ)の「クイニーザップ」(四万四千九百九十九円)は三輪タイプで、座席を囲むような曲線のフレーム構造などデザインが斬新。ファッション性を重視する親たちに好評という。 ▽少子化も影響 従来よりも高額、高機能なベビーカーが注目される背景について、ベビーザらス広島府中店の飯島圭司ストアディレクターは「高価格の製品を孫に贈る祖父母も目立つ。子どもの数が減ったことも影響している」とみる。 子ども用品店のチカチコ(南区)では、多機能なストッケ(ノルウェー)の「エクスプローリー」(十一万五千五百円)が売れ筋だ。座席の高さが地面から五十五〜七十センチと通常の二倍前後。腰を大きく曲げなくても子どもを乗せたり降ろしたりできる。 後方の脚部に付いたサスペンションやタイヤ内部の細かい気泡で衝撃吸収力が高いのも特徴。山本剛店長は「子どもの乗り心地を最優先に考えるお客さまに選ばれている」と分析する。 ▽「1台」に集約 こうした海外ブランドの販売は二〇〇〇年ごろから伸びた。対抗して国内メーカーも機能性のアピールを強めている。 ベビーカーは生後一カ月からの寝かせるタイプと、七カ月からの座らせるタイプがあり、成長に合わせて買い替えるケースも少なくなかったという。座席を広くし、リクライニング機能なども備えて、一台で済む機種も増えてきた。 コンビ(東京)の「リッコW KW―530」(三万七千百円)は、本体が四・一キロと軽量化を図っている。キンダーランド十日市店(中区)は「片手でも押しやすく、マンションなどの階段での持ち運びや電車やバスの乗り降りも楽にできる」と説明する。 機能を充実させながら価格を抑えた商品も増えている。三万円以下の製品をそろえる西松屋チェーン広島安佐南店(安佐南区)では、独自ブランドの「エンジェルスマイル」(一万七千八百円)が一番人気だ。まだ首が据わらない新生児用に頭を支えるクッションを装備。座席幅も三十八センチと広い。「使いやすく価格も手ごろで幅広い人が買い求める」という。 ベビーザらス広島府中店の飯島ストアディレクターは「よく利用する公園までの距離や近所の坂道の多さ、車を使う頻度など、ライフスタイルに応じて選んでほしい」とアドバイスする。(価格は各店頭)
(2007.2.7)
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