尾道市の因南学園計画 ■市、住民の声受け方針転換 尾道市は九日、因島南部地区で計画する幼・小・中一貫の因南学園(仮称)設置について、三小学校統合を一時凍結し、三中学校だけを統合する方針転換を明らかにした。二〇〇七年度当初予算案に、三中学校を統合した「因南中学校」の基本設計費を盛り込む。
市議会全員協議会で若住久吾副市長が「現在の地域状況を考えると、いま一度立ち止まって十分に考察することが必要と判断した」と表明。計画から一幼稚園と三小学校の統合を除外し〇七年度から、ほぼ合意形成ができている三中学校統合の準備に着手するとした。 方針転換の理由について若住副市長は、住民団体が二小学校の存続を求める請願書を市議会に提出したことを挙げ、「住民の意見を尊重した」と説明。幼稚園から中学までの一貫校構想は「今後も堅持し、時間をかけて地域全体で受容できるよう努力する」として継続課題と位置付けた。 市は、土生、三庄、田熊地区の三小・三中学校と土生幼稚園を統合して〇九年度、因島土生町の旧因島高土生校舎跡地に因南学園を開校する計画を進めてきた。 計画をめぐって地元住民でつくる二団体がそれぞれ二日、三庄小と田熊小の存続を求める請願書を計六千五百五十六人分の署名を添えて市議会に提出。一方、市PTA連合会因島ブロックは六日、計画推進を求める請願書を提出し、地元から賛否の声が議会に届く異例の事態となっていた。 「三庄小の存続を求める会」の青木悦子代表(57)は「住民の思いが受け止められた。市教委が示した学園構想がベストかどうか、議論を続けたい」。市P連因島ブロックの村上善彦代表(47)は「学園構想に夢を託していたので非常に残念。一貫教育は必要だと思うので、訴え続ける」と語った。(田儀慶樹、榎本直樹) (2007.2.10)
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