中国新聞


産科・婦人科医 基幹病院に条件付き配置
広島大が提案


 支援体制や分娩数考慮

 広島大は二十四日、医師数や分娩(ぶんべん)数などで一定の条件を満たす産科・婦人科の医療機関に、積極的に医師を送り込む方針を公表した。広島県内の七ブロックに、お産の拠点となる基幹病院を一〜二カ所ずつ設定。医師を集約化し、医師不足や都市部への偏在に対応する考えだ。(門脇正樹)

地図「広島大の医師配置ブロック」

 この日、広島市南区の広島大病院であった、県内七カ所の総合病院の代表との会議の後、同大の弓削孟文副学長(医療担当)が会見して明らかにした。県内を広島市中心部と市北部圏▽呉▽尾三・福山・府中―など七つのブロックに区分。医師派遣の条件として、産科・婦人科医師を六人確保▽年間分娩数が八百人▽小児科と麻酔科のバックアップがある―の三項目を示した。

 この条件を目安に、地域性などを考慮しながら優先的に医師を配置するという。ただ、現時点で条件を満たしているのは広島大病院と県立広島病院(いずれも南区)しかない。

 広島大は、各ブロックに一〜二カ所ずつ基幹病院を設定するよう提案。今後、各ブロックで協議を深めてもらう。夜間対応が困難な地域の解消にもつなげたいとしている。

 本年度中に指針を示し、同じ問題を抱えている小児科にも広げる方針だ。弓削副学長は「県内で唯一、医療人を育成する機関として、必要に応じて医師を提供する措置を取りたい」と話している。

(2007.1.25)


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