悩み相談 通常の5倍 ▽中四国の7団体実施 「いじめ」関係が242件 子どもたちの悩みを電話で受け止める中四国地方の「チャイルドライン」が昨年十二月五日までの一カ月間、電話料金無料のフリーダイヤル化し、合わせて四千四百三十五件の相談が寄せられた。内容別では、いじめを苦にした自殺が相次いだことを背景に、いじめに関する相談が二百四十二件で、性の悩みに次いで二番目に多かった。(平井敦子) フリーダイヤル化は、特定非営利活動法人(NPO法人)「チャイルドライン支援センター」(東京)が主催した。一カ月間の長期キャンペーンは初の試みで、中四国のチャイルドライン七団体が協力して実現。うち千十五件は、「ひろしまチャイルドライン」が相談に応じた。通常の一カ月間の五倍に当たり、電話代を無料にした効果が如実に表れた。 「ひろしまチャイルドライン」を運営しているNPO法人「ひろしまチャイルドライン子どもステーション」によると、いじめの相談では、「モノを隠される」「無視される」「『死ね』『汚い』『臭い』などと言われる」との訴えなどがあった。中には、「いじめられて生きていけないけど、どうして死んじゃいけないんですか」という女の子からの声も届いた、という。 いじめのほか、「性」二百九十二件▽「人間関係」二百二十二件▽「恋愛・異性関係」百七十四件▽「雑談・話し相手」百六十件―と続いている。携帯電話からの着信は全体の半数強に及んだ。 今回の試みを機に、ひろしまチャイルドラインは、フリーダイヤルを常設化。フリーダイヤルの採用は中国地方で四団体に増えた。
■気軽に話せる条件必要−ひろしまチャイルドライン上野理事長に聞く
NPO法人「ひろしまチャイルドライン子どもステーション」の上野和子理事長(56)に、フリーダイヤル化キャンペーンの成果と課題を聞いた。(平井敦子) ―たくさんの相談が寄せられましたね。 「いつでも相談できるのがうれしい」との声がありました。無料で、電話をかけたいときにかけられる体制は、気軽に、じっくり相談できる条件となることを痛感しました。 ―いじめについての相談も多かったですね。 いじめを苦にした自殺が続き、報道の影響もあったようです。ただ、ずっと以前から同じような内容の相談は続いています。今に始まった問題ではなく、だからこそ引き続き相談窓口の確保が必要です。 ―相談にはどのように応じていますか。 子どもたちの気持ちに耳を傾けます。まず、「言えた」「思いをはき出せた」ということが大切。すぐに答えが出なくても、話を聞いてもらって元気になる、そんな子どもたちの力を信じています。 ―今後の課題は。 フリーダイヤル化を継続するには、電話代の調達が必要です。平均の通話時間は六分で、通話料は約二百円。千円で五人の通話を支えることができます。電話代の支援は間接的ですが、大人が今できる子どもへの支援ではないでしょうか。民間の寄付とともに、行政の支援もお願いしたい。 ◇ ◇ 寄付の送り先は、郵便振替01310―0―84571「特定非営利活動法人ひろしまチャイルドライン子どもステーション」 (2007.1.20)
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