中国新聞


体力テスト 成績大幅向上
広島市教委 3年計画早くも成果


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小学4―6年生に配布された「体力アップハンドブック」

 広島市教委が本年度実施した児童、生徒への体力テストで、前年度に比べ成績が二倍以上伸びたことが二十七日、分かった。市教委は本年度、指導一課内に「スポーツ教育担当」を設置、三年計画で児童生徒の体力向上に乗りだしている。(鴻池尚)

 週五日制による体育の授業日数の減少やテレビゲームの発達に伴い、子どもの運動量が少なくなっているのは全国的な傾向。その中でも広島市の体力の低下は著しく、二年前のテストでは、ほぼすべての項目で都市規模がほぼ同じ仙台、京都の両市を下回った。

 市教委は「目標があいまいで子どもが本気で体力づくりに取り組んでいない」と分析し、三年計画の「ステップアップ事業」を本年度から開始。握力、五十メートル走など八項目(中学は九項目)ある体力テストで、項目ごとに学年、男女別で全国平均を上回る割合を来年度までに50%に引き上げるよう設定した。

 目標意識を高めるため表彰制度を設けたほか、テスト項目の目標を月、年単位で設定し、毎日記録をつける「体力アップハンドブック」を小学四―六年の全児童に配布するなど体力づくりを進めている。

 今年のテストの結果、全国平均を上回った割合は、小中高全体で昨年度の8・1%から19・2%まで伸びた。指導一課は「成果は出ている。体力だけではなく忍耐力や精神力の向上にもつなげたい」とする。今後は、小中学校の部活交流やスポーツ経験者など地域との連携を深める方針だ。

(2006.12.28)


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