管理規則変更を保留 ■教育委員会議、慎重論相次ぐ 広島市教委が進める二学期制の本格導入をめぐり、市教育委員会議は二十六日、学校管理規則の変更の結論を保留した。保護者から「説明が不十分で拙速だ」と導入見直しを望む要望が出される中、委員からも慎重な対応を求める意見が相次いだ。 三学期制を基本にする規則を来年度から、二学期制を基本にしながら三学期制も選択できるよう変更する内容。現状のままでも二学期制の導入はできるが、市教委は、来年度から小中学校計二百三校のうち九割にあたる百八十五校が導入を予定しており、「実態に合わせるため」を理由に変更を提案した。 しかし、会議では「保護者への説明が十分でなく、時間をかけていくべきだ」「モデル校の状況の検証が必要」などの意見があり、委員の半数が規則の変更に反対。可否が同数の場合、委員長が裁定できるが、石井真治委員長は市教委が来年一月に公表するモデル校のアンケート結果を踏まえ、再度審議することを決めた。 保護者や教員らでつくる「二学期制導入を考える広島市民の会」のメンバーら約二十人が傍聴。小学校に二人が通う南区のパート女性(42)は「現場の先生も混乱していると聞いた。時間をかけて保護者、地域と話し合ってほしい」と訴えた。 広島県教組の山今彰委員長は「何のための二学期制かの論議が抜けている。保護者や子どもの理解を得ている学校は少ない」として、現場の実情に懸念を示した。(鴻池尚) (2006.12.27)
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