固定的役割分担 49%否定 呉市が共同参画調査 10年前より20ポイント増
呉市は、男女共同参画社会の実現に向けた意識調査の結果をまとめた。性別による固定的な役割分担意識は解消されつつあるが、家庭生活では旧態依然とした実態が明らかになった。市民生活課は「意識は徐々に浸透しつつあるが、スローペース。地域、家庭、職場の各分野で、バランス良く進むようにしたい」としている。(増田咲子) 市は七〜八月、地域別に無作為抽出した二十歳以上の二千五百人に三十三項目の質問用紙を郵送し、千二百七十六人から回答を得た。 「男は仕事、女は家庭」という固定意識の否定派は49・3%で、一九九五年調査の29・5%と比べて約20ポイント増えた。肯定派は47%から43・3%にわずかに減少した。否定派は男性が44・4%、女性が52・4%、肯定派は男性が47・8%、女性が40・7%で、男女間で意識が逆転。六十歳以上では、肯定派が多かった。 家庭生活については、食事の支度や片付け、掃除・洗濯を八割以上が妻が担当。子育てや介護・看護は約六割、自治会への参加は五割を超えた。一方、夫の役割は家庭の重大問題の決定が四割を超え、生活費を得るのも夫が七割を超えた。約35%を占める共働き家庭でも、同様の傾向だった。 男性の育児・介護休業制度の利用については約七割が賛成としながらも、利用が少ない理由として職場の理解不足や収入減、復帰後の待遇懸念などを挙げた。市は今回の結果を基に男女共同参画推進審議会に諮り、来年度中に男女共同参画基本計画を改定する。 (2006.12.20)
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