給食後にキシリトール入りガム 広島県北広島の本地小 2ヵ月取り組み 児童に関心、効果も 広島県北広島町の本地小が、給食後にキシリトール(天然の甘味料)入りのガムをかむユニークな虫歯予防に取り組み、成果を上げている。砂糖と同程度の甘みを持つものの、虫歯のもとになる酸を発生しないキシリトール入りのガム二粒を五分間かみ、消化を助ける唾液(だえき)の分泌も促す一石二鳥の試みだ。(串信考)
ガムをかむことで歯や口の機能について学び、虫歯予防を考えさせるのが狙い。出原了子養護教諭を中心に九月から二カ月間、五、六年の五十二人が取り組んだ。 日本歯科大東京短大の福田雅臣教授からキシリトールの特徴や唾液には口の中の酸を中和する働きもあることなどについて講演を受けてスタート。給食後に歯を磨き、ガムをかむのを児童は楽しみにしていたという。五年田坂夏海さん(11)は「はじめはおいしいぐらいにしか思わなかったけど、口がすっきりするし、歯にいいことが分かった」と声を弾ませる。 十月の健康診断で効果は表れた。地元の歯科医師三宅公介さん(61)は「四月の健康診断では口の衛生状態が良い児童が六年で六割、五年が四割だったのが、それぞれ九割と七割に向上した」と感心する。 取り組みは十一月下旬に終わったが、自宅で夕食後にガムをかむようになったり、歯磨き剤をフッ素入りに換えたりした児童も。五年下清田香理さん(11)は「学校で学んだことをお母さんや知らない人に話している」と言う。 二カ月間の成果を奥志保江校長は、十九日のPTAの会合で保護者に報告する。三宅さんは「本地小の取り組みが各地の小中学校に広がってほしい」と願っていた。
(2006.12.16)
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