中国新聞


子育て支援へ文庫開館
大竹の読書サークル


 大竹市の読書サークル仲間の主婦十人が二日、同市南栄三丁目に子育て支援の無料文庫「親と子の本のひろば あいいく館」をオープンした。約七百五十冊の絵本や児童書をそろえ、貸し出しもする。毎週土曜に開館し、「本を媒介に、世代を超えた触れ合いの場にしたい」と意気込んでいる。(西均)

 ■毎週土曜 お話会や人形劇、親子に憩いの場

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杉嶋さん(中央奧)やスタッフに見守られ、絵本などを楽しむ子どもたち

 館長の杉嶋壽子さん(66)は三十六年間、文庫を開いてきた。本町の自宅を「杉の子文庫」にしていたが、市立図書館が開館した十七年前、夫の転勤で大竹を離れた。その後も函館市や北九州市で文庫を開き、夫の定年退職で今年九月、再び大竹へ戻ってきた。

 読書文化を支える草の根の文庫は二十年前まで大竹市内に六カ所あった。市立図書館が開館した後、すべて消えた。大竹に戻ってきた杉嶋さんは「本の貸し出しだけでなく、子育ても支援する新しい形の文庫をつくろう」と発案。読書サークルの仲間たちも賛同し、約十五年ぶりに市内に文庫が復活した。

 四年前に閉園した幼稚園「愛育園」の一室(約八十平方メートル)を日本基督教団大竹教会から無償で借り受け、杉嶋さんと愛育園の蔵書を並べた。積み木やパズルなど遊具も置く。保育士の資格を持つスタッフらが交代で詰め、お話会や人形劇、音楽会も開く。初日に訪れた大竹保育所年長の所七奈美ちゃん(5)は「初めて見る本がたくさんある」と喜んでいた。

 「家庭文庫の温かくて自由な雰囲気をよみがえらせたい」とスタッフの島田晃子さん(41)。杉嶋さんは「本は心の栄養。親子に憩いの場を提供したい」と話している。

 開館は午前十時〜午後四時(正午から一時間休み)。市外の親子も利用できる。

(2006.12.6)


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