福山市教委 全校調査 連携へ指導強化 福山市の市立小、中学校の約七割が、いじめの対処方針や指導計画を保護者や地域に公表していなかったことが二十四日、同市教委の調査で分かった。市教委は「いじめへの対応は、家庭や地域との連携が重要」として、積極的に情報公開するよう指導を始めた。(野崎建一郎) 市教委は十月下旬、市立小学校七十八校、中学校三十六校の全百十四校に、文部科学省が示したモデルを基に独自作成した点検表を配布。いじめへの取り組み状況について三十項目にわたり報告を求めた。 学校の対応が最も遅れていたのは、いじめに関する家庭や地域への情報公開。対処方針などを示して理解を得るよう努めている学校は、小学は29・48%の二十三校、中学は33・33%の十二校の計三十五校にとどまった。残る小学五十五校、中学二十四校の計七十九校が未実施だった。 このため、学校の教育相談体制に対する保護者の理解や関与も不十分となっている。「保護者の理解が得られ、保護者の悩みにも対応できているか」の問いに、小学の四割弱に当たる三十校が「できていない」と回答した。 各学期一回以上の面接週間の設定などがなく、子どもの不安や悩みをキャッチする体制が小学校の四割弱で不十分だったことも判明。小、中学校の四分の一は、いじめる側に対し特別計画を立てて指導していなかった。 市教委は十月二十六日に臨時校長会を開き、全市立小中学校の児童、生徒約三万八千人にいじめの有無などを聞く個人面談を年内に実施するよう指示。家庭や地域との連携強化も通知した。 指導課は「いじめが確認されていない学校などで対応が遅れている面がある。全国的に学校でのいじめが深刻化する中、学校が家庭、地域と一体で子どもを守る体制づくりを整えるよう指導を強める」としている。
(2006.11.25)
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