広島県がモデル事業 就労促進策も作成へ 若者の引きこもり、ニート問題に対応する「青少年自立支援プログラム開発モデル事業」を広島県が今月から始めた。近く、大学の専門家や問題に取り組む市民らで事業検討委員会を設立。十一月からは、引きこもりなどの若者を対象にした作業体験の参加者を募る。(高木潤) モデル事業は、文部科学省が二〇〇五年度に始めた都道府県や政令市、各教委への委託事業。県は「引きこもりやニート問題への施策は十分ではなかった。市民団体と連携を図りながら主体的にかかわる必要がある」と事業を受託した。 計画によると、作業体験の参加者は、既に設置した実行委員会メンバーの県立広島大人間福祉学科教授らによる面談を受けた上で、引きこもりの若者向けに福山市に市民が設けたフリースペース「自由館」に通う。物品の包装作業などを通じ働くことを体験してもらう。 作業体験は約一カ月間で、来年三月中旬までに終える予定。募集人員は十五歳程度から三十歳程度の約十人で、家族や知人からの申し込みも受け付ける。 月内にも設置する事業検討委員会は七人程度を予定。現場での作業体験を点検しながら、引きこもりやニートの若者の学習や就労を促進するプログラム策定を目指す。 県の推計では県内のニートは約一万人に上る。ただ、引きこもりは定義が不明確で統計の取り方も確立されておらず、人数を把握できていないのが実情という。事業は参加者を十分に確保できるかどうかが当面の課題になりそうだ。 県青少年・地域安全室は「病院や学校で把握しきれない引きこもりの若者も多いはず。勇気を持って声を上げてほしい」としている。Tel082(513)2740。 (2006.10.26)
|